篠山で陶芸展「人のかたち」

欧・米の特徴くっきり


バイオラ・フライ作「ワールドマン」「ワールドウーマン」(いずれも滋賀県立陶芸の森陶芸館所蔵)=兵庫陶芸美術館
 「人」をテーマにした異色の陶芸展「人のかたち」が、篠山市の兵庫陶芸美術館で開催中だ。実用を離れた「陶」による「人間の表現」は、コミカルさ、哲学的な深遠さなど、各作家の個性を反映。焼き物の可能性や多様性を教える一方、陶芸と彫刻、絵画との関係についても考えさせる。

 アジア、欧米など、十一カ国二十六作家の近作を中心に紹介。「器」を意識した作品も何点かあるが、大半は粘土・陶による彫刻というべき作品だ。

 欧州作家の作品は人間の暗部も見つめ、内省的で重厚な印象。人間の尊厳や崇高さに迫ろうとする苦闘や情熱を強く感じさせる。多彩な素材感、質感の違いも興味深い。

 一方、米国作家らはポップカルチャーの影響を受け、極めて戯画的、風刺的。人や社会の愚かさ、欺(ぎ)瞞(まん)性を皮肉り、笑い飛ばす。また、近代以降の彫刻は、ブロンズなどの素材感を生かし、着色しない作品が大半だが、この米国作家らは、能天気ともみえる明るい色調で作品をペイント。そのカラフルさが独特の「軽み」も生んでいる。

 例えば、バイオラ・フライの「ワールドマン」は、高さ三メートルもある男の巨像だが、どこか間抜けでユーモラス。コミック調の造形やパステル調の色合いが、この像から重厚感、威圧感を奪っている。ここには絵皿などに施す「絵付け」とは別次元の絵画と陶芸との関係性が見え面白い。

 ほかにも、マネの名画「笛吹く少年」を立体化し着色した像や、ゴッホの風変わりな胸像など、絵画、画家を直接題材にした作品が出展され目を引いた。陶芸、絵画などジャンルを超える楽しさがあるわけで、「陶による現代アート」展と考えるべきかもしれない。

(堀井正純)

 同展は八日まで。TEL079・597・3961

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